えるぼし認定とは?種類・基準・メリットを社労士がわかりやすく解説【2026年最新】

監修:岡本秀興(社会保険労務士/厚生労働省「多様な働き方」有識者委員・2025年度)
※本記事は2026年8月時点の情報にもとづきます。制度の詳細は厚生労働省の最新情報もあわせてご確認ください。

えるぼし認定とは

えるぼし認定とは、女性活躍推進法にもとづき、女性の活躍に関する取り組みが優良な企業を厚生労働大臣が認定する制度です。認定された企業は「えるぼし」マークを求人票や名刺、自社サイトなどに使えます。

この「えるぼし」には、実は3つの種類があります。基礎となる「えるぼし(1〜3つ星)」、その上位の「プラチナえるぼし」、そして2026年4月に新設された「えるぼしプラス」です。まずはこの3つの関係を押さえると、制度の全体像がすっきり理解できます。

この記事は、えるぼしをこれから知る方に向けた”入口”です。3認定の関係と取得の順序、メリットの全体像を整理し、各テーマの詳しい解説記事へご案内します。

「えるぼし」の名前の由来とマークの意味

「えるぼし」の「える(L)」は、女性(Lady)や働く・取り組む(Labour)を表します。そのLと星(★)を組み合わせたものが認定マークです。星の数は取り組みの達成度を示し、多くの基準を満たすほど星が増えます。

社会で輝く女性への「エール」も込められた名称です。取引先や求職者がひと目で「女性活躍に積極的な企業」と分かる、国のお墨付きのシンボルと考えるとよいでしょう。

【全体像】3つの認定の関係と取得の順序

ここが本記事の中心です。「えるぼし」「プラチナえるぼし」「えるぼしプラス」は、役割も取得の前提も異なります。まず一覧で関係を整理します。

認定位置づけ取得の前提ざっくり言うと
えるぼし(1〜3つ星)基礎となる認定行動計画の策定・届出5つの評価項目の達成数で星が決まる
プラチナえるぼしえるぼしの上位認定えるぼしを取得していることえるぼしより高い基準の”最上位”
えるぼしプラス/プラチナえるぼしプラス健康配慮を評価する付加認定えるぼし・プラチナに付加(未取得でも同時申請可)女性の健康支援の取り組みを追加で評価

取得の順序は、次のように考えると分かりやすいでしょう。

  1. まず「えるぼし」本体を取得する(1〜3つ星)。5つの評価項目のうち、満たした数で星の数が決まります。
  2. さらに上を目指すなら「プラチナえるぼし」。えるぼしの取得が前提で、基準はより高くなります。
  3. 「プラス」は健康配慮の取り組みを加えたい場合に付加。えるぼし・プラチナのいずれにも付けられ、未取得の企業も同時に申請できます。

3つの認定それぞれの詳しい要件は、専用の記事で解説しています。

  • 記事「えるぼし認定基準をわかりやすく|3段階の要件と5評価項目の課題・対策を社労士が解説【2026年改正対応】」
  • 記事「プラチナえるぼしとは?認定要件・えるぼしとの違い・メリットを社労士が解説【2026年最新】」
  • 記事「えるぼしプラスとは?認定要件・えるぼしとの関係・メリットを社労士が解説【2026年新設】」

えるぼしの評価項目と3段階(概要)

えるぼし本体は、5つの評価項目のうち「いくつ満たすか」で3段階に分かれます。まず全体像だけ押さえておきましょう。

  • 評価項目(5つ):採用/継続就業/労働時間等の働き方/管理職比率/多様なキャリアコース
  • 段階:1段階目(1つ星:1〜2項目)/2段階目(2つ星:3〜4項目)/3段階目(3つ星:5項目すべて)

各項目の具体的な基準や、自社データの当てはめ方、つまずきやすいポイントと対策は、記事「えるぼし認定基準をわかりやすく|3段階の要件と5評価項目の課題・対策を社労士が解説【2026年改正対応】」で詳しく解説します。ここでは「5項目の達成数で段階が決まる」とだけ覚えておけば十分です。

えるぼし認定を取得する主なメリット

えるぼし認定の価値は、マークがもらえること以上に、経営へ直結する実利にあります。主なメリットを整理します。

  1. 採用力の強化・企業ブランディング:認定マークを求人票や採用サイトに掲載でき、「女性が働きやすい会社」という印象を伝えられます。
  2. 公共調達(入札)・経審等での加点:国や自治体の入札で評価され、建設業では経営事項審査(経審)の加点、その他業界でも総合評価落札方式・プロポーザル方式の加点につながります。
  3. 補助金審査時の加点:国の主要な補助金制度(デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)や新事業進出・ものづくり商業サービス補助金等)の加点につながります。
  4. 賃上げ促進税制の上乗せ:えるぼし2段階目以上またはプラチナえるぼしを取得すると、賃上げ促進税制の税額控除率が5%上乗せされ、中小企業では最大35%の控除が受けられます。※令和8年3月31日以前に開始する年度については、例外的に45%の適用が受けられます。 
  5. 低利融資:日本政策金融公庫の「働き方改革推進支援資金」を、条件を満たせば通常より低い金利で利用できます。
  6. 社内制度・労務環境の整備:認定要件を確認する過程で、就業規則や各種規程が見直され、労務基盤が整います。

人手不足は年々深刻になっています。中小零細企業の約7割が「人手が不足している」と回答した調査もあり(日本商工会議所、2023年9月)、採用面のメリットは規模の小さな企業ほど大きく効きます。

【事例】入札・経審の加点で受注力が変わる

メリットを具体的にイメージできるよう、TRIPORTが支援した2社を紹介します。

測量業の株式会社共栄テックは、公共入札の「ワーク・ライフ・バランス等推進企業評価」で得られる0.5点※の加点を目的に、えるぼし2つ星を取得しました。入札額が同じでも加点の有無で結果が変わる世界で、この0.5点が受注を左右していたといいます。

※発注機関・入札案件により配点は異なります。 

建設業の株式会社つづくは、えるぼし3つ星を取得し、経審で社会性(W点)35点※・総合評定値(P点)5点の加点を得ました。ISO取得と同等レベルの加点です。同社は岐阜県高山市で初の3つ星取得となり、新聞3誌や労働局のプレスリリースでも取り上げられました。

※同社の決算内容に基づく換算後のW評点。素点ベースの加点は認定段階により異なります 。

くるみん・健康経営優良法人との違い

「えるぼしとくるみん、どちらを取ればいい?」という質問をよくいただきます。結論は、目的が違う制度なので、自社の狙いに合わせて選ぶ、または併用するのが基本です。

制度主なテーマ認定する主体
えるぼし女性活躍の推進厚生労働省
くるみん子育て支援(仕事と育児の両立)厚生労働省
健康経営優良法人従業員の心身の健康経済産業省・日本健康会議

女性の採用や定着を強化したいなら、まずはえるぼしから検討するのが分かりやすい選択です。3制度の詳しい比較は、専用記事で解説します。 (内部リンク → 記事:くるみんとえるぼしの違い)

申請の流れ(概要)と専門家の活用

えるぼし認定は、申請書を出すだけでは取得できません。行動計画をつくり、公表し、実績を積む、という流れが必要です。全体像は次のとおりです。

  1. 自社の女性活躍の状況把握と課題分析
  2. 一般事業主行動計画の策定・社内周知・外部公表
  3. 労働局への届出
  4. 取り組みの実施と「女性の活躍推進企業データベース」への実績公表
  5. 認定申請

詳しい手順と必要書類は、申請専用の記事で解説します。 (内部リンク → 記事:えるぼし認定の申請方法・流れ・必要書類)

自社で取得するか、専門家を活用するか

えるぼし認定は自社だけでも申請できます。ただし、一般事業主行動計画の作成やデータ算出、労働局とのやり取りには専門知識と工数がかかります。共栄テックの担当者も、最初は自社で進めようとして「手引きのページ数の多さに戸惑った」と振り返っています。

本業に集中しながら確実に取得したい場合は、専門家の活用も選択肢です。TRIPORTの「えるぼし認定取得支援コンサルティング」は、単なる申請代行ではなく、認定要件をクリアするためのコンサルティングや、認定要件をクリアするプロセスの中で、採用力強化や離職率低減など、具体的な経営効果に繋がるコンサルティングまで支援します。完全オンラインで全国に対応しています。

まずは自社が何段階を狙えるかを知りたい方へ、無料のえるぼし診断・オンライン相談をご用意しています。

よくある質問(FAQ)

Q. えるぼし認定とは何ですか?
A. 女性活躍推進法にもとづき、女性活躍の取り組みが優良な企業を厚生労働大臣が認定する制度です。基礎の「えるぼし(1〜3つ星)」、上位の「プラチナえるぼし」、付加の「えるぼしプラス」があります。

Q. えるぼし・プラチナえるぼし・えるぼしプラスの違いは?
A. えるぼしが基礎、プラチナえるぼしがその上位認定、えるぼしプラスは健康配慮を評価する付加認定です。プラスはえるぼし・プラチナのいずれにも付けられ、未取得でも同時申請できます。

Q. どの順で取得すればよいですか?
A. まずえるぼし本体を取得し、上位を目指すならプラチナえるぼしへ進みます。プラスは健康配慮の取り組みがあれば、本体・プラチナに付加して申請できます。

Q. えるぼしとくるみんの違いは?
A. えるぼしは女性活躍、くるみんは子育て支援を評価する制度です。目的が異なるため、狙いに応じて選ぶか併用します。

Q. 中小企業でも取得できますか?
A. できます。規模を問わず申請でき、採用面のメリットは中小企業ほど大きく効く傾向があります。

まとめ:まずは全体像と自社の現状把握から

えるぼしには「本体(1〜3つ星)」「プラチナ」「プラス」の3つがあり、役割と取得の前提が異なります。この関係を押さえたうえで、自社がどの段階を狙えるかを知ることが第一歩です。

TRIPORTでは、社会保険労務士などの専門家が監修する無料えるぼし診断とオンライン相談で、現状の可否判定から取得までを支援しています。まずはお気軽にご相談ください。