えるぼしプラスとは?認定要件・えるぼしとの関係・メリットを社労士が解説【2026年新設】

監修:岡本秀興(社会保険労務士/厚生労働省「多様な働き方」有識者委員・2025年度)
※本記事は2026年8月時点の情報にもとづきます。えるぼし認定の基礎は、記事「えるぼし認定とは?種類・基準・メリットを社労士がわかりやすく解説【2026年最新】」/「えるぼし認定基準をわかりやすく|3段階の要件と5評価項目の課題・対策を社労士が解説【2026年改正対応】」で解説しています。

えるぼしプラスとは

えるぼしプラスとは、2026年4月に新設された認定で、えるぼし認定に「女性の健康支援」に関する基準を加えたものです。えるぼしにプラスが付くと「えるぼしプラス」、プラチナえるぼしに付くと「プラチナえるぼしプラス」になります。

重要な点が2つあります。1つは、プラスはえるぼし(1〜3段階目)・プラチナえるぼしのいずれにも付加できること。もう1つは、えるぼしを取得していない企業も、えるぼしとプラスを同時に申請できることです。すでに健康配慮の取り組みを進めている企業なら、狙いやすい認定といえます。

この記事では、認定要件(健康配慮の4要件)、えるぼし・プラチナとの関係、メリットを、正確に整理します。

えるぼしプラスの認定要件(健康配慮の4要件)

えるぼしプラス(および プラチナえるぼしプラス)を取得するには、えるぼし/プラチナの基準に加えて、女性の健康上の特性への配慮に関する次の4要件を満たす必要があります。

要件内容
① 制度の整備女性の健康上の特性に配慮した休暇制度と、次のいずれかの制度を設けている:半日・時間単位の年次有給休暇/所定外労働の制限/時差出勤/フレックスタイム/短時間勤務/在宅勤務
② 方針の周知女性の健康上の特性への配慮に関する方針を示し、①の制度内容とともに労働者へ周知していること
③ 理解の促進女性の健康上の特性への配慮に関する研修など、労働者の理解を促す取り組みを実施していること
④ 相談体制女性の健康上の特性への配慮に関する業務の担当者を選任し、相談に応じる体制を整えて労働者へ周知していること

具体的には、不妊治療や更年期障害などへの配慮として、時間単位の有給取得や在宅勤務を可能にする、といった対応が想定されています。制度を「作る」だけでなく、周知・研修・相談体制まで整えることが求められる点がポイントです。

えるぼし・プラチナえるぼしとの関係

えるぼしプラスは、単独の認定ではありません。えるぼし・プラチナえるぼしに「付加」される認定です。関係を整理します。

  • えるぼし(1〜3つ星)+プラス = えるぼしプラス
  • プラチナえるぼし+プラス = プラチナえるぼしプラス
  • プラスは、えるぼし・プラチナのどの段階にも付加できる(3つ星に限定されない)
  • 未取得の企業も、えるぼし/プラチナとプラスを同時に申請できる

つまり、「まずえるぼしを取ってからでないとプラスは申請できない」というわけではありません。健康配慮の取り組みがあれば、えるぼし本体とあわせて同時に狙えます。制度全体の関係は、記事「えるぼし認定とは?種類・基準・メリットを社労士がわかりやすく解説【2026年最新】」の関係性マップもあわせてご覧ください。

えるぼしプラスのメリット(現状を正直に)

えるぼしプラスのメリットは、率直に言えば、現時点では主に「ブランディング」と「健康経営のアピール」にあります。

  • 女性の健康支援に取り組む企業としてのアピール:認定マークで、健康配慮の姿勢を社内外に示せます。採用や定着、企業イメージの向上に役立ちます。
  • 健康経営の取り組みの可視化:不妊治療・更年期などへの配慮は、従業員の安心につながり、離職防止にも寄与します。

一方で、注意点もあります。えるぼしプラスに固有の「公共調達の加点」や「専用の融資・税制」は、2026年8月時点では特に整備されていません。加点や税制優遇は、あくまでえるぼし本体・プラチナの取得によるものです。プラスは「上乗せのブランディング」と捉えるのが実態に近いでしょう。

なお、えるぼしプラスの取り組みは、不妊治療と仕事の両立を支援する「くるみんプラス」の基準の一部とも重なります。両方を視野に入れると、「女性活躍」と「子育て支援」の双方をアピールでき、相乗効果が期待できます。

取得の流れ

えるぼしプラスの取得は、次の2パターンで考えると分かりやすいでしょう。

  1. すでにえるぼし・プラチナを取得している場合:健康配慮の4要件を整え、プラスを申請します。
  2. えるぼし未取得/プラチナ未取得の場合:えるぼし/プラチナ本体の要件と、プラスの4要件を整え、同時に申請します。

いずれの場合も、まずは自社の休暇・勤務制度や相談体制が4要件を満たすかの確認から始まります。制度の新設・見直しが必要なら、就業規則や社内制度の整備が伴います。自社の状況を確認したい場合は、専門家の診断を活用する方法もあります。

よくある質問(FAQ)

Q. えるぼしプラスとは何ですか?
A. 2026年4月に新設された認定で、えるぼし・プラチナえるぼしに「女性の健康支援」の基準を加えたものです。えるぼしプラス/プラチナえるぼしプラスがあります。

Q. えるぼしを取得していないとプラスは申請できませんか?
A. いいえ。未取得の企業も、えるぼし/プラチナとプラスを同時に申請できます。プラスは3つ星に限らず、1〜3段階目・プラチナのいずれにも付加できます。

Q. えるぼしプラスの要件は?
A. 女性の健康上の特性に配慮した休暇・柔軟な勤務制度の整備、方針の周知、研修などの実施、相談担当者の選任の4つです。

Q. えるぼしプラスに加点や税制優遇はありますか?
A. 2026年8月時点では、プラス固有の加点・融資・税制は特に整備されていません。加点や税制優遇はえるぼし本体・プラチナの取得によるものです。プラスは主にブランディング・健康経営アピールの価値があります。

まとめ:健康配慮の取り組みを”認定”に変える

えるぼしプラスは、2026年新設の付加認定です。えるぼし・プラチナのいずれにも付けられ、未取得の企業も同時に申請できます。要件は、女性の健康支援に関する制度整備・周知・研修・相談体制の4つです。

現状のメリットは主にブランディングと健康経営のアピールですが、すでに健康配慮を進めている企業なら、その取り組みを”国の認定”として可視化できる新しい機会です。TRIPORTでは、えるぼし本体からプラスまで、社会保険労務士などの専門家が取得を支援しています。まずはお気軽にご相談ください。