くるみん認定とえるぼし認定の違いは?対象・基準・メリットを社労士が比較【2026年最新】

監修:岡本秀興(社会保険労務士/厚生労働省「多様な働き方」有識者委員・2025年度)
※本記事は2026年8月時点の情報にもとづきます。

まず結論:くるみん認定とえるぼし認定の違い

くるみん認定とえるぼし認定の違いは、ひと言でいえば「テーマ」です。えるぼし認定は女性活躍、くるみん認定は子育て支援(仕事と育児の両立)を評価する制度です。どちらも厚生労働大臣が認定しますが、狙う効果が異なります。

自社の課題が「女性の採用・定着」ならえるぼし認定、「育児との両立支援」ならくるみん認定、が基本の選び方です。両方を取得して相乗効果を狙う企業も増えています。まずは比較表で全体像をつかみましょう。

観点えるぼし認定くるみん認定
テーマ女性活躍の推進子育て支援(仕事と育児の両立)
認定主体厚生労働大臣厚生労働大臣
根拠法女性活躍推進法次世代育成支援対策推進法
主な評価採用・継続就業・労働時間・管理職比率・多様なキャリアコース育児休業の取得状況・労働時間・両立支援制度 など
上位・付加(入門)プラチナえるぼし/えるぼしプラスプラチナくるみん/くるみんプラス
(入門版:トライくるみん)
取得難易度の傾向女性管理職比率など数値基準が要点育休取得率など育児関連が要点

えるぼし認定とは(概要)

えるぼし認定とは、女性活躍推進法にもとづき、女性活躍の取り組みが優良な企業を認定する制度です。5つの評価項目の達成数で1〜3段階に分かれ、上位のプラチナえるぼし、付加のえるぼしプラスがあります。

認定取得による企業ブランディング、またそれに伴う採用力強化、公共調達の加点など、経営に直結するメリットがあります。詳しくは基礎記事をご覧ください。

くるみん認定とは(概要)

くるみん認定とは、次世代育成支援対策推進法にもとづき、子育てサポートに積極的な企業を認定する制度です。育児休業の取得状況などが評価されます。

くるみん認定には段階・種類があります。標準の「くるみん」、基準を一部緩和した「トライくるみん」、より高水準の「プラチナくるみん」、そして不妊治療との両立を評価する「くるみんプラス」です。えるぼしと同様、自社の状況に応じて目指す種類を選びます。

6つの観点で徹底比較

えるぼし認定とくるみん認定を、企業が気になる5つの観点で比べます。

  1. 目的:えるぼし認定は女性の活躍、くるみん認定は仕事と育児の両立支援。
  2. 認定対象・基準:えるぼし認定は採用や管理職比率などの女性活躍指標、くるみん認定は育休取得率などの育児関連指標。
  3. メリット:どちらも認定マークによる採用力向上に加え、賃上げ促進税制の税額控除の上乗せ対象になり得ます。
  4. マーク:それぞれ専用の認定マークを求人票や自社サイトに使用できます。
  5. 認定申請可能時期:えるぼし認定は一般事業主行動計画期間中での申請も可能、くるみん認定は一般事業主行動計画期間終了後に申請。
  6. 取得難易度の傾向:えるぼし認定は女性管理職比率や継続就業などの数値、くるみん認定は育休取得率が壁になりやすい、という傾向があります。

その他の関連制度(ユースエール認定など)

女性活躍・両立支援の周辺には、ほかにも認定・選定制度があります。混同しやすいものを簡単に整理します。

  • ユースエール認定:若者の採用・育成に積極的な中小企業を認定する制度(厚生労働省)。
  • なでしこ銘柄/健康経営優良法人/DX認定 など:経済産業省が関わる選定・認定制度。テーマが異なるため、本記事では名称の紹介にとどめます。

自社が「女性活躍」で認定を狙うなら、まずはえるぼしが軸になります。

どれから取るべきか|優先順位の付け方

複数の制度が気になる場合、「どれから取るか」の優先順位づけが大切です。判断の軸は、自社の一番の課題と、取得のしやすさです。

  • 採用力を今すぐ高めたい:求職者への訴求範囲が広いえるぼし認定から。
  • 極力早く認定がほしい:要件さえ満たせばすぐに申請可能なえるぼし認定から。(くるみん認定は最低2年必要)
  • 育児離職が課題:くるみん認定を優先。
  • 公共調達の加点が目的:要件を満たせばすぐにでも申請が可能なえるぼし認定を優先。
  • すでに両立支援が手厚い:くるみん認定、または両制度の併用も視野に。

取得難易度は、自社の状況・現状データで変わります。例えば、女性管理職比率が高い企業はえるぼし認定が、育休取得率が高い企業はくるみん認定が取りやすい傾向です。自社がどちらを取りやすいかは、現状把握から見えてきます。

自社の狙い別の選び方(具体例)

もう少し具体的に、企業像ごとの向き・不向きを示します。

  • 女性比率が高いサービス業・小売業:女性活躍の実績を示しやすく、えるぼし認定向き。
  • 技術職中心で女性採用を増やしたい製造業・建設業:えるぼし認定で採用力を補強。建設業なら経審加点の実利も大きい。
  • 若手の育児世代が多いIT・専門サービス:くるみん認定で両立支援をアピール。えるぼしプラス×くるみんプラスの併用も有効。
  • 公共工事・入札に参加する企業:えるぼし認定を軸に、加点を狙う。

併用のメリットと進め方

えるぼし認定とくるみん認定は併用できます。「女性活躍」と「子育て支援」の両面をアピールでき、採用や企業イメージで相乗効果が期待できます。

とくに、えるぼしプラスとくるみんプラスは休暇・柔軟な勤務制度の整備/方針の周知/研修の実施/相談体制の整備という枠組みが共通しており、女性の健康支援や両立支援を進める企業なら、一体として整備を進めることで両方の基準を効率的に満たしやすいです。進め方としては、自社の課題が大きい方から着手し、もう一方へ広げるのが経営上の効果も大きく現実的でしょう。

よくある質問(FAQ)

Q. くるみん認定とえるぼし認定の違いは?
A. えるぼし認定は女性活躍、くるみん認定は子育て支援(仕事と育児の両立)を評価する認定制度です。目的が異なります。

Q. どちらを先に取るべきですか?
A. 経営上の一番の課題で選びます。採用力強化ならえるぼし認定、育児離職の抑制ならくるみん認定が基本です。入札加点が目的ならえるぼしが有利です。

Q. 両方取得できますか?
A. できます。「女性活躍」と「子育て支援」の双方をアピールでき、相乗効果が見込めます。

Q. ユースエール認定やなでしこ銘柄との違いは?
A. ユースエール認定は若者の採用・育成、なでしこ銘柄などは経産省系の別テーマの制度です。女性活躍で認定を狙うならえるぼし認定が軸になります。

まとめ:課題に合った制度を選ぶ

くるみん認定とえるぼし認定は、目的の異なる制度です。女性の採用・定着ならえるぼし認定、育児との両立支援ならくるみん認定。自社の課題と、取得のしやすさで優先順位をつけるのが失敗しない選び方です。

どちらを取りやすいか、何段階を狙えるかは、現状把握から見えてきます。TRIPORTでは、社会保険労務士などの専門家が無料でえるぼし認定の取得確率診断を行い、会社の現状を確認、認定取得までをワンストップで支援しています。まずはお気軽にご相談ください。 (CTA → 無料えるぼし診断/無料オンライン相談)